Ⅰ:殺伐とした話でございます
まあ、しょうがないとこもあるとおもうんです。
だって、ナニさんか名前はわすれましたが、晩年の劉邦さんに愛された女性。
この方、正妻である呂后さんとの子ではなく、自分との子を劉邦さんの跡継ぎにするよう熱心に頼み込んでいます。
「漢帝国は呂后さんトコの息子ではなく私の息子にちょうだい」と。
まあ、これもしょうがないとこがあるとおもうんです。
だってこの方、天下人劉邦さんの愛情を一身にうけた自分が呂后さんに怨まれていることはよ~くわかっています。
殺意もひしひしと感じています。
とは言っても、もちろん劉邦さんが生きている間は大丈夫なんです。
なんといっても絶対権力者が愛する女性ですから。
正妻である呂后さんといえどもなんの手出しもできません。
(だからこそ呂后さんの怨みはひたすら深くなっていったんでしょうが)
でもいかに天命を受けた皇帝とはいえ、劉邦さんも人間です。
もういい歳です。
あの始皇帝すら、万金を使ってどれだけ渇望しても、ついに不老不死の薬を手に入れることはできませんでした。
ええ、人は死にます。
劉邦さん亡き後、呂后さんの息子が跡を継ぎ漢帝国の権力をにぎったらどうなるか?
今のままなら自然とそうなることでしょう。
そして呂后さんは真っ先に自分を殺すでしょう。
そして自分の息子を殺すでしょう。
まさに文字通り「やるかやられるか」です。
それを阻止するためには、まだ幼い自分の息子を帝国の次の皇帝にし、権力を握るしかありません。
そして勝者として呂后さんを「やる」しか自分と息子の命を救う術はありません。
んなもんだから、この方、正妻である呂后さんとの子ではなく、自分との子を劉邦さんの後継ぎにするよう熱心に頼み込んでいます。
「漢帝国は呂后さんトコの息子ではなく私の息子にちょうだい」と。
で、劉邦さんもそこらへんの事情は重々承知。
それにどうも呂后さんの息子さんは優しい性格の人だったみたいで、戦乱が収まったばかりの帝国の皇帝になるには"ひ弱"すぎるのではないかと判断。
「自分の跡継ぎは呂后との子ではなく、愛するこいつの子にするか」と、劉邦さんの考えが思いっきり傾斜します。
(だからこそ呂后さんの怨みはひたすら深く深くなっていったんでしょうが)
Ⅱ:さて絶体絶命の呂后さん。
絶対権力者である劉邦さんが「俺の跡継ぎはアッチ」と言ったらもうそれまで。
どうすることもできません。
それに天下人劉邦さんの愛情を一身にうけたアイツが自分をうとましく思っていることはよ~くわかっています。
嘲りもひしひしと感じています。
とは言っても、もちろん劉邦さんが生きている間は大丈夫なんです。
なんといっても絶対権力者の正妻ですから。
絶対権力者が愛する女性とはいえ、呂后さんにはなんの手出しもできません。
でもいかに天命を受けた皇帝とはいえ、劉邦さんも人間です。
もういい歳です。
あの始皇帝すら、万金を使ってどれだけ渇望しても、ついに不老不死の薬を手に入れることはできませんでした。
ええ、人は死にます。
劉邦さん亡き後、アイツの息子が跡を継ぎ漢帝国の権力をにぎったらどうなるか?
今のままなら自然とそうなることでしょう。
そしてアイツは真っ先に自分と息子を排除するでしょう。
先帝の正妻とその息子が、それ以外の者が権力を握ったときにどうなるか?
まさに文字通り「やるかやられるか」です。
それを阻止するためには自分の"ひ弱"な息子を帝国の次の皇帝にし、権力を握るしかありません。
そして勝者としてアイツを「やる」しか自分と息子の命を救う術はありません。
んなもんだから、呂后さん、正妻である自分の子が劉邦さんの後継ぎになれるようにと、その智謀で劉邦さんに天下をとらせたとも言われる張良さんに「お願い、いい知恵だして」と熱心に頼み込んでいます。
んでもっていろいろ端折りまして。
この張良さんの策のおかげで、無事呂后さんの息子さんが劉邦さんの跡継ぎに決まります。
どんなにその後に待ち受ける運命がわかろうとも、劉邦さんは皇帝として個人の愛情よりも帝国の安定をとりました。
「やるかやられるか。」
だからいろいろとしょうがないとこもあるとおもうんです。
といっても劉邦さんの死後、呂后さんがこの方におこなったことはあまりにも・・・ですが。
ちなみに、この方が殺された後の息子さんの消息。
二代皇帝となった呂后さんの息子さん、ほんとうに優しい人だったんですね。
「弟があぶない。このままでは私の母に殺される。」
と、つねに自分のそばにおき寝食を共にしていたそうです。
でもある日の早朝のことです。
ずっと大丈夫だったため気の緩みもあったのでしょう。
呂后さんの息子さんが一緒に狩に行こうとしたら、弟さんはまだ寝ていました。
だから「起こしたらかわいそう」とそのまま寝かせて一人で出かけたら、その間に弟さんは呂后さんに殺されてしまったそうです。
と、昔、陳舜臣さんの「中国の歴史(二)」で読んだ気がします。
ええ、"気"です。
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